【海外転職者へ】住民票は残すべき? 転出すべき?

海外赴任、海外転勤前に誰しも悩むのが「住民票はどうすればいいか?」です。

役所に行って、「海外転出届」を提出することで住民票を抜くことができるのですが、残すか抜くかは、人によって考え方が違います。
住民票は国民年金、国民保険、住民税の支払いに関係します。「住民票を転出すると、国民年金、国民保険、住民税はどうなるのか?」「メリット・デメリットは?」
実際にタイ在住の日本人はどうしているのかも伺ってみましたので参考にしてください。

また、単身赴任で海外に転勤するのか家族全員なのか、奥様だけなのか、お子さんがいるのかによっても状況が変わってくるので補足します。

住民票とは

まあ皆さんご存知でしょうが、 日本で市町村と特別区で作成される住民に関する記録です。
海外転職や海外旅行で長期滞在される場合は、住民票を残すか、転出するかを選ぶことになります。

【海外赴任時に住民票を日本に残す場合】

転出届を出さずにそのまま残すと、海外に住んでいても日本にいる時と同様に、国民保険、国民年金に加入し続けることができます。同時に、海外にいながら保険と年金の支払いを続けることも必要。

■日本に住民票を残すメリット

・年金の積み立てをやめないで良い
・定期的に日本に帰った際に、子どもの予防接種などを日本国負担で受けられる
・国民健康保険に加入し続けられる


ただし、会社員の場合は所属する会社の健康保険(社会保険)の方が、国民健康保険よりも圧倒的にお得なので、あまり意味がありません。

日本に住民票を残すデメリット

数十万円の日本の住民税を払い続けることになる。


これは大きい !さらに、海外赴任者の場合は赴任地での住民税は会社負担だと思います。

【海外赴任時に住民票を抜く場合】

海外転出届を提出して住民票を転出します。

海外に移住、また長期滞在(一年以上の海外転勤、出張、旅行)する時に提出する書類を海外転出届と言います。

海外転職届を提出すると同時に、住民票も転出することになります。

期間:転出予定日の14日前から。
場所:各市役所 。
届出人:本人または世帯主。
必要なもの:窓口で手続きする人の本人確認ができるもの(運転免許証・パスポートなど)、印鑑、印鑑登録証、住民基本台帳カード


※単身赴任の場合は、世帯主を妻に移す必要があります。

海外転勤時に住民票を抜くメリット

◎翌年分の住民税を払う必要がなくなる
日本での所得が無くなった翌年の6月から納税義務がなくなります。

※ その年に住民税を払うかどうかの判断は、1月1日時点で日本に住民票が有るか・抜いてあるかが重要です。
前年度所得に応じた課税なので海外赴任後すぐは、引き続き住民税を払い続けないといけません。

◎国民年金が強制ではなく、任意加入となる

日本に住民票がある20歳以上60歳未満のすべての人に加入する義務がある「国民年金」。

住民票を抜くと、国民年金の支払いが義務から任意に変わります。つまり、住民票を抜けば年金を支払う必要がなくなります。しかし、転出した分だけ最終的に受給できる額も減少します。また、加入は続けられるので、そのまま払い続けることも可能。現在の国民年金の保険料は、一月当たり16,490円(平成29年4月~平成30年3月まで)。一年分は、197,880円です。

◎国民健康保険を支払う必要がなくなる

日本に住民票があるすべての人が加入する「国民健康保険」。

住民票を転出すると、支払う必要がなくなりますが、加入することができなくなります。ここが年金と違います。日本にいる時に怪我、病気になった場合、保険が効かないので医療費が高額になります。また、国民健康保険は必要な書類を集められれば海外でも使用できます。

また民間のお得な海外保険で代用可。 会社によりますが基本的には会社が民間の保険に加入しています。タイでは国の保険とは別に、会社が民間の保険会社に加入してもらえる所がほとんどです。


■海外転勤時に住民票を抜くデメリット

×印鑑証明が取れなくなる

×住宅ローン控除が受けられなくなる。

マンションや一軒家をローンで購入された方にとっては住宅借入金等特別控除が受けられなくなります。

住宅ローン控除の条件が、「新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること」となっているからです。

×海外赴任中の日本の選挙権が無くなる

×国民保険に加入できなくなるので、日本で怪我や病気になった場合、自費負担。

×年金の受給額が少なくなる。

海外赴任時の児童手当の支払い

単身赴任家庭でお子さんがいらっしゃる場合に重要なのが児童手当です。
中学3年生までは児童手当が受け取れるわけですから、しっかり手続きをしましょう。

周りの駐在員家族に聞いてみても、みなさん大抵の場合児童手当の受給者は夫にしていたようです。

児童手当は、子と住所を同一にする親に対して支払われるお金なので、親の住民票が移動すると支払いが停止してしまいます。

受給者を夫にしている場合は、海外赴任に際して住民票の除票をするときに受給者を妻に変更しましょう。

忘れてしまうと、児童手当がもらえなくなり、自分で気づくまで毎月の支払いが止まってしまいます。

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