「転職は何件くらい応募すれば良いのか?」 たくさん応募することで、転職に成功した人。逆にたくさん応募し過ぎたために、失敗してしまった人がいます。 なぜ、この差が生まれるのか? 転職活動に割ける時間の制約もあるので、たくさん応募すれば良いというわけでもありませんし、慎重になりすぎても良い結果が生まれるとも限りません。
離職して転職活動した斎藤さんの場合
中堅企業でシステムエンジニアとしてお勤めの、斎藤さん(仮名)の場合。
下請け作業が多かった現在の会社に限界を感じた 斎藤さんは、上流工程にチャレンジできる会社への転職を目指して、32歳を機に離職。すぐに転職活動を始めましたが、2カ月が過ぎても、採用内定にこぎつけることができませんでした。
斎藤さんの場合は、とにかく応募の数が少ないことに原因がありました。どちらかといえば慎重な性格の中村さんは、自分の目的に合った企業を選ぼうとするあまり、わずか6件しか応募していなかったのです。
6件の応募で書類選考に通るのは、わずか2件
SI業界を例に挙げると、一般的に書類選考の通過率は3分の1程度です。これが面接の場合は、2分の1程度となります。書類選考の後に面接が2回行われると仮定すれば、採用内定を取れる可能性は単純に12分の1ということです。
応募される方の実力や企業側の事情によっても異なりますが、6件という応募がいかに少ないかはご理解いただけると思います。
請負型ビジネスであるSI業界では、採用企業がどういうプロジェクトを手掛けているのか、どういう仕事を担当させてもらえるのか、オファーを受けた段階で初めて知り得る情報も少なくありません。
つまりキャリアアップというテーマを実現するためには、可能な限りたくさんの面接を受け、選択肢を増やしていく必要があるのです。
また、社風や上司との相性を重視して転職する方は、実際に面接に行かないと分からないことが多いため、とにかくたくさん応募して面接を受けることが重要だといえます。
なんとか転職できたものの…
ちなみに 斎藤さんの場合、その後、転職はできたものの、業務内容が以前の企業と大きく変わらず、結果としてキャリアアップに結びつけることはできませんでした。
離職期間が長くなってしまうと、どうしても金銭的な理由から転職条件に妥協してしまう傾向があるため、なるべく離職はせずに転職活動を行う方が良いといえます。
応募先を絞り込んで成功した飯田さんの場合
転職される方のスキルや経験、転職動機によっては、あえて応募先を絞り込んだ方が採用内定に結びつく場合もあります。
つまり自分のキャリアを軸に、それを生かせる企業へと狙いを定めるわけです。最後は、33歳で外資系企業にお勤めの飯田さん(仮名)の例を見てみましょう。
飯田さんは工場の生産部門などを対象にした生産管理ソフトウェアを専門に担当しており、現在ではマネージャーの立場から、導入コンサルティングからサポートまでをこなすITエンジニアとして業務を行っています。
転職動機は「雇用条件の安定した日本企業に就職したい」というもので、これまで扱ってきた生産管理ソフトウェアを導入した企業において、社内エンジニアとして勤務したいという希望をお持ちでした。
条件の絞り込みが採用確率のアップにつながる
飯田さんのように明確なターゲットがある場合、条件に合致する企業だけに応募すれば良いわけですから、むやみに応募数を増やす必要はありません。
むしろ重要なのは、どのような条件で絞り込めば自分の強みを最大限に売り込むことができ、キャリアアップにつながるのか事前にきちんと計画を立てておくということです。
通常は、企業側のニーズと求職する側の条件が一致するほど、採用される確率は高くなりますし、より好条件でのオファーを受けることができます。またターゲットが絞り込まれているほど、私どもコンサルタントとしても、数ある求人の中からより適切な企業をピックアップしてご紹介できる利点があります。
飯田さんの場合は、これまで携わってきた生産管理ソフトウェアのプロダクトを転職のキーワードとすることで、同じソフトの運用管理者を探していた企業からすぐに採用内定を得ることができました。
「応募数の法則」
ご自身のキャリアや現在の状況、転職のテーマに応じて応募数や応募の条件をコントロールしていくことこそが、良い転職に結びつくキーワードといえるでしょう。
もちろん選択肢は多い方が良いのですが、現職に留まったまま転職活動を行う場合は、転職活動のクオリティを維持するためにも、しっかり時間をかけて面接に臨むことが大切です。
「なかなか採用内定が取れない」「希望に応じたオファーを受けられない」などの悩みを抱える方は、どういった企業に何件応募すれば良いのか、改めて応募数と企業を選ぶ条件のバランスを確認してみてはいかがでしょう。
・転職活動は在職中から始めましょう。
・最終的な選択肢を増やすためにも、原則として応募は多い方が良い
・転職のテーマを再確認し、応募企業に狙いを定めよう
Leave a Reply